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    2006

08.06

お仕置き・2


  あらかじめ私がやってくることは、報せが届いていたのだろう。館に付くと恭しく慇懃無礼な執事に迎えられ、心地よくしつらえられた部屋へ案内された。いったい私のこの館での立場はどうなっているのか、いぶかしまずにはいられないほど広く控えの間までもが付いている客間だった。確か子供の勉強を見るという話だったので、伯爵の親戚か何かの男の子の面倒をひと夏見ればいいのではないかと思っていた。それであれば家庭教師だ。使用人とは言えないが、客人ともいえない。そういう立場のではないかと思っていたのに、それにしてはあまりにも丁寧なもてなしぶりだった。困惑しながらも用意されたコロンの入った湯をつかい、身支度を整えた。
 いずれは、その子供に引き合わされるのだろうが、どうやらすぐというわけでもないようだ。伯爵は七人の子供を持っていて、そのうちの5人までがすでに独立して妻をもらっているか、どこかの家に嫁いでいるかだった。
6人目の女性は、社交界でも有名な美しい姫君で多くの崇拝者を持っていると評判だった。7人目のお子の噂は聞かないが、もしかしたら、私が勉強を教えるのはその子供なのではないだろうか。待っている間に、伯爵から預かった本を読んでおこうと思い、森からの気持ちよい風がレースのカーテンを揺らしている窓辺に、すわり心地のよさそうな肘掛け椅子を引っ張っていって、その本を開いた。
 見開きのページに現れたのは、一人の女性のむき出しの尻を叩く男の絵だった。





一瞬私は自分の目にしたものが信じられず固まってしまった。どうやらその男は聖職者らしかった。打たれているのは身分の高い女性のようで介添えには侍女らしき女性がついている。場所は、教会の中なのではないか。その中央の壇上で、あらわにスカートをめくり上げられ、下穿きもつけず跪いている女性のそのふっくらとした尻を容赦なく打ち据える男。想像もしていなかったその光景に私はうろたえて本を閉じた。その時、ドアがノックされ、小間使いらしき女性の声が恐ろしい言葉を継げた。
「お客様、お嬢様がお会いになるそうです。居間のほうへおいでくださいませ。」


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 居間へ案内されていくと、妙齢の女性を従えて長椅子に座ってるのは年の頃は13歳くらいの美しい小淑女だった。姿に劣らぬマリエーヌという美しい名前の少女だった。銀色の巻き毛は波打って背になだれ落ち、パッチリと開いたグリーンの瞳とふっくらと光る唇。年頃になれば、宮廷中の男共がその足元に跪くのではないだろうか。まるで、人形のように愛らしく、膨らまされたドレスの膝に慎ましくそろえられた指先のその先まで、美しい少女だった。

「その本をよく読み、そこに書かれているままをその子供に施すよう」

まだ、すべての内容をよく読んだ訳ではなかったが、あの見開きのページから推察する事は明らかのように思えた。伯爵に命ぜられた子供とは、この少女の事であり、だとしたら勉強を見るという事は、文字通りそのままの意味ではなさそうである。何しろ名家の娘達は社交界にデビューするまでは館の奥深く大事に育てられるのが普通で、その教育のためには、教養豊かな女性が家庭教師としてつくのが慣わしだ。おそらくは彼女の後ろに立っているこの女性が、その家庭教師なのではあるまいか。わざわざ学問所の学生を呼んで、大切にしている娘に近づけるなど常識では考えられない事だった。


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 昨日のうちにあの本を隅から隅まで読んでおくのだった。激しい後悔を感じながら、私は、彼女に向かって深々と腰を折り、おそるおそる尋ねるしかなかった。
「お嬢様は、私がここに呼ばれた理由についてご存知でいらっしゃいますか?」
 少女の頬がさっと赤くなり、じっとみつめていた瞳がさっとそらされた。
「存じております。」
「恐れ入りますが教えていただけないでしょうか・?」
 後に控えていた女性が気色ばんで割って入る。
「失礼でありましょう。ニコラス ボールドウィン殿、お嬢様にそのような事を面と向かって・・・」
「いいのです。キャメロン夫人。・・・・詳しくお話しなかったお父様がいけないのですから。ただ、ニコラス様は、まだあの本を読んでらっしゃらないご様子。明日、改めてそのことは二人だけでお話したいと思います。今日は、お疲れでしょうから、ゆっくりお休みくださいませ。」
 少女はさっと立ち上がると、ドレスの裾をひるがえし、誰にも反論させずドアの向こうへ消えていった。私は憤懣やるかたないといった視線で睨みつけてくる、キャメロン夫人と二人その部屋に取り残されて、肩をすくめる意外に他は無かった。


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「お仕置き・3」へ続く・・・


Category: スパンキング(novel )
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