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    2009

08.22

ジャックと七人の艶婦たち



「ジャックと七人の艶婦たち 」
作者:不詳
訳:中村康治訳
「ジャックと七人の艶婦たち 」
富士見ロマン文庫
1982初版
カバー:金子國義
イラスト:荒井悟

 快楽の部屋で滑車と縄と羽根と鞭の犠牲になった女性たちのひとり、モリー・バッシュは、友人のジュリアン・デントンを連れてジャックの部屋へ戻ってきた。自分を恨んでいるのではと思っていたジャックは驚くが、モリーは、もう一度自分を、そして、その友人であるジュリアに同じ事をして欲しいと願って。
 わたしは、恥ずべき男の犠牲者として抵抗するモリーを質にとり、ジュリアに罠を仕掛けて行く。

 アリスと結婚したわたしは、よき理解者にして協力者、それでいて、嫉妬深くサディスティックで、レスボスの喜びを覚えた妻を快楽のパートナーとして得ることが出来た。そして、ともに快楽を分けあう女性たちを・・・。






 私はデスクのほうに行き、羽とピンセットを置くと、銀のペーパー・ナイフを取り上げ、モリーのところに戻った。左手の親指と人さし指にそのナイフの先をはさみ、右の親指と人さし指広い柄を曲げ、モリーの右の乳房の下側を狙って、右手の指をはなした。小さく鋭い音が鳴った。その裸の乳房の白い肌に赤い斑点が鮮やかに現われ、と同時に、モリーは体を縮こめるように後ろへ引いた。
 「うう・・・お、オオッ!お願い、痛い、ちぎれそう、そこはやめて、頼みますから!」
 わたしはかまわず、もう一方の乳房をペーパー・ナイフで打った。平べったい広い柄の部分が乳暈の真下に当たった。
 「おう・・・!やめて!」モリーは金切り声をあげ、身体を激しく後方に突き出した。彼女の裸の乳房が踊るように跳ねた。わたしは続けて、その左の乳房をペーパー・ナイフで打った。豊かな白い肌をした外側の球面と二つの半球の谷間の側の球面を打った。モリーは頭をのけぞらせ、目を白黒させ、口を大きく開けて喘がせ、なんとか打たれるのを逃れようと腰をねじり、上半身を揺すった。
 「このほうがピンセットよりもはるかに官能的な音がする、そうは思いませんか、モリー?」わたしは辛辣に聞いた。
 「おおーああー、もう…もう…音なんかじゃありません、もう痛くて死にそう、あなたはわたしを殺すおつもりなんですわ!」(中略)

 「さあ続けるとするか」わたしがそういってペーパー・ナイフをかまえると、モリーは恐怖の目で私を見つめ、体を揺すりはじめた。腰のほうはかなり大きく振ることはできても、上半身は両手を吊り上げられているので思うに任せないようだった。しかし、わたしにとっては好都合だった。わたしが狙いをつけるところをほとんど正確に打つことができるからだ。
 わたしがいちばん興奮し、刺激を受けたのが、彼女の乳首をまともに打ったときだ。乳首がぺしゃんこになり、愛らしい真紅の乳暈はへこみ、それからはじかれたように、また跳ね出して来る。
 モリーは今は目から涙を溢れさせ、むせび泣きながら、もう堪忍して欲しいと哀願した。しかし、まだ屈しようとはしない。乳首がもっとも敏感であることがわかったので、わたしは乳首を集中的に攻める事にした。モリーの傍近くに寄り、片方の乳房を軽く左手で掬うようにして持ち上げ、右手にペーパー・ナイフの先を持って柄の部分で今は赤く膨らんだ乳首を小さく鋭く打った。
 モリーは自由にならない体を精いっぱい必死にぶるぶるふるわせ、痛みに耐えようとした。まるで、モリーは本気でとことんまで、わたしに反抗し、耐えられるかぎり耐えようとしているようだった。しかし、それも時間の問題であるのは明白だった。
 「おお・・・・、おーっ、もうこれ以上、がまんできない!どうすれば、やめてくださるの、おっしゃって、お願い!」



 物語は、めでたしめでたしで、終息しようとしています。次々と凌辱されたはずの女性たちはみな、和気あいあいとジャックのハレム一員となって、アリスの気まぐれな、責めをも、引き受けなくてはなりません。

 最後の巻から、引用したこのシーンは、第二巻で、母親とともに凌辱を受けた、モリー・バッシュが、何も知らないジュリアの前で、ジャックに再び責めさいなまれるシーン。
 「ズロースをおろしてください。」と頼むように強要されるモリーです。ほんとうは、自ら、この場を仕組んだモリーなのですから、いずれは裸になり、ジャックのモノになることは承知の上の芝居なのですが、とことん抵抗し、羽根の愛撫に耐え、痛みを耐えて、恥ずかしい言葉を口に出さないと言いはります。
 二度目の快楽の部屋とは言っても、何をされるのか分からない不安、そして、縛られて思うようにならない身体に加えられる気の狂うような愛撫と痛み。
 それが欲しくてやってきたモリーは、その苦しみを味わいつくそうとして、頑として白旗を上げません。この矛盾した状況を作りあげる舞台立てと、矛盾した感情を見せる女性が、SM小説の味わいどころだと思います。
 あっさりと宗旨変えをして、人生を楽しんでるアリスがコケティシュッなSの魅力を振りまいているように、最初は母親に言いなりになってる箱入り娘だったモリーの、Mでこその魅力はなかなかのものであります。

↓クリックすると動画サンプルへ 




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Category: 読書が好き
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