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    2013

09.18

天満月(あまみつつき)


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 いつの頃からなのか分からないほどの昔から国には7つの宮があり、それぞれに、月神に仕えるための巫女が住んでいた。そして、多くの民人の中から、祭祀を司るための特別な娘を選んで、それぞれの宮に祀ることになっていた。娘が選ばれる時は、十になった年の7月で、7つの宮では、一斉に7日間をかけて精進潔斎し、最後の7月7日に、神の花嫁として月神に捧げ祀ることに決められていた。

 神事はすべて秘事であり、民人はけっしてその日に巫女たちが行うことを知ることは出来ず。また、選ばれた媛巫女がどんな役目を果たしているのかも教えられることはなかった。ただ、一の宮は、初めて媛巫女が選ばれた年に住まう宮であり、一年を無事に勤めあげた媛巫女は、二の宮に移る事になっていた。そうやって7つの宮で、神事を行い無事に17歳になった娘は晴れて、人に戻ることが出来た。

 選ばれる娘たちは、国でも評判の美しい娘であることが多い。7年間を宮の奥深くで厳しく躾けられ、神事とともに、歌舞音曲、立ち居振る舞いを学ぶことになるため、17ともなれば花のように美しく、たおやかで優しい娘に育っている。里に戻される時は、過分な持参金をも、もたされることに決まっていたので、多くの有力者たちが競って嫁に貰いたがったのも無理もなかった。ただし、学んだことはともかく、宮でどのような毎日を送ってきたのかは娘たちの記憶から綺麗に拭い去られており、とおの時に、宮へ上がった時のままの無垢で幼い娘のようであった。それがまた、金や身分に瑕のない家の男たちにとっては、掌中の珠のように貴重に思われるのであろう。嫁に迎えた家で、娘たちは屋敷の奥深く囲いこまれるのが常であった。

 17歳の晴れて最後の祭事の折には、媛巫女は、多くの人が群れ集う七の宮の高殿で、月神のための最後の舞を舞い。その晴れ姿は、里の誉れとなり、人々は称え、敬い、畏れ、祈った。七年間の祭事によって、一切の穢れを脱ぎ捨ててきた媛巫女が、地に降り立つ時、国全体の土地は浄められ、そうして、また、いっさいの罪のない清き土地として、命あるものを育て育む事が出来る悠久の平和が国の隅々まで舞い降りるのであった。

 しかし、まったき真円を描く月とはいえど、やがては欠けるのが常の習い。本当に稀ではあったものの、宮の奥深くで守られ育てられた媛巫女も、予定のない穢れに触れて、月神の怒りをかうことが無かったわけではない。過ちを犯した媛巫女は、その歳の祀りに裁かれ、自分の罪を償わなければならなかった。月神の定めによりて、最後の仕置は、それぞれの宮に於いての鞭打ち刑であった。打たれる数は百とも、千とも言われ、それを耐えぬくことが出来ぬ媛巫女は、命を落とすことが多かった。

 媛巫女がその罪故に、死んでしまった場合は、その後はその媛巫女が務めるべき宮は、そのまま、媛巫女がいないままの一年を送ることになる。そうして次の宮へ、また次の宮へと欠けた状態のまま送られる定めになっており、欠けた媛が17になるはずの歳には、地の穢れは祓われず、清められなかった地には、災と悲しみが巡り来ることになっていた。
 民人にとって、祓われなかった年は、媛巫女の喪に服すかのように、暗く、悲しみに覆われた歳になり、人々は歌うことも、踊ることも謹んで、月神の怒りを受けぬように、俯いて、一年をこそりと過ごすしか無かったと言われる。

 里の誉れは失われ、娘を送り出した家は、石もて追われ、娘の代わりに村八分に貶められて、重ねて罪を償わなければならない。それもあって、多くの媛巫女は、行いを謹んで、晴れて無事勤め上げるその日まで、辛抱我慢を重ね、信心深く、月神の愛を七年の間、我が身に頂戴できるように心を込めてお仕えしていたと言われている。





2へ続く
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Category: 物語
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Comments

to とうこさん

 神殿ものは定番の筋立てなんですが
和風でやってみたいなと思ってます。
夢を忘れないうちにw

まだ、途中で止まってるお話が
3つもあるのにそれについて夢を見ることがない。
夢やーい。(自分で、話をつくれないw)

さやか#- | URL | [編集]
2013/09/22(日) 13:21:28

素敵ですね。
画像もお神話(?)も素敵。
巫女になり過ごす謂わば幽閉された年月。
そこで全てを洗われる心身。過ちを犯し消えゆく心身。どれもが清らかで美しく感じました。

ボディチェーンも肌に映えてウットリです。

とうこ#YjTMmlic | URL | [編集]
2013/09/22(日) 11:24:31

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