2020

09.09

Mistress Kym

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 空気が和らいでぬくもりがきざし、朝日が昇ってくるのが素肌に感じられる。一晩中座っていた足はしびれ、後ろ手に回されて留め付けられている手枷が肌に溶け込んで身体と一体化しているようだった。週に一度、そうやって膝をついたまま過ごす夜も、だんだんと慣れ、最初ほどは苦痛ではない。頭にかぶせられた全頭マスクの中に自分の息がこもり、酸素が足りなくなってくるのかうつらうつらした頭はぼんやりと、霞がかかったように働かない。
 主が寝返りを打つ音がする。羽布団とシーツが擦れるかすかな音。あるかないか分らないほどの体臭が、部屋いっぱいに広がっているような、願望に近い妄想に包まれて満ち足りた心地になる。
 しびれを振り払おうと、体重を右から左へ移すと、繋がれた鎖ががちゃりと音をたてた。遠くから車の音が近づいてきて本格的に朝が始まったのが分った。やがて、主が起き上がる気配がする。見えないけれどけだるげに、髪をかき上げながら、ゆっくりとベッドを降り、近づいてくる。呼吸を止めて、どちらから来るのか耳を澄ます。側に来ているはず。体温を感じるはず。
 まだ、しびれの残っている右の太腿に暖かい足裏が押しつけられた。それから主の重みが。歯をくいしばり、身体をこわばらせてもうめき声を押し殺せない。かすれた声が耳に吹き込まれる。
「おはよう」
 ああ。幸せな朝が、また、始まる。


Category: 男性への支配
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